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2017-02-26

ふと蘇る一人旅の記憶

20代の頃から、何度か一人旅をしたことがあります。
勉強とか、仕事とか、誰かに会いに行くとか、そういった目的のない旅です。

初めての一人旅は、たしか20歳のときでした。
当時私は大学生で、周りの友だちは海外旅行にグループで行ったりしていたところを、なぜか一人、青春18切符を握りしめて、在来線を乗り継いで石川県の金沢へ向かいました。

金沢を選んだのは、その頃大河ドラマで「利家とまつ」というのをやっていて、その影響でなんとなく、金沢まで行けるかな…なんて思ったからです。
前田利家の本を読みながら、電車に揺られて金沢を目指す、若い女子一人。
思い出すと、なんだか笑えます。

覚えていることといえば、兼六園からひがし茶屋街に歩いて行こうとして、地図が苦手な頭ではどっちが北か南かもわからないのです。
それで同じところをくるくる回って、足もすごく疲れて、本当にうんざりしたことだったり。
観光案内所の方に頼んで写真を撮ってもらったら、一人で広島から来たのかとびっくりされたことだったり。

そんな断片的な記憶の中で最も鮮明に蘇るのは、とても風が強くて、小雨が降っていて、薄暗くて、寂しくて仕方なかったのに、無理やり楽しんでいるふりをして観光していたという、なんともセンチメンタルなその時の気持ちです。

あの日の金沢の街の記憶は、まさに当時の私の心を映し出していたみたいで。今思うと、私は何をしに行ったんだろうって、可笑しいのですが。

 

なぜかふと、最近そのことを思い出していました。

20代は楽しかった思い出もたくさんあるけれど、内側には言葉にできない悲しみを抱えていたように思います。

それでも、周りの人からは、いつも笑っているね、強いねって言われるような子でした。
それはただ、内側の繊細さを守るための術だったのですね。

だけどもう、そういう強さは私には必要ないみたい。
その内側にこそ本来の私の良さがあるのだと教えてもらいました。

私の中に、光を当てていただいて、ありがとうございます。
大切に、大切にしていきます。

 

眠るときに「明日の朝目が覚めなかったらいいのに」と思っていたあの頃の私に、ちゃんと朝が来て、目が覚めて、本当に良かったねって言ってあげよう。

さぁ、この世界で、どれくらいのことを表現していけるかな。
あなたに、いつか届くかな。
それはわからないけれど、じぶんの内側に素直に正直に、整合性をとりながら、心を込めていこうと思います。

 

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